鉛フリーの特性概要
一般に鉛フリーはんだは完全にはんだが溶解する液相線温度が高く、それらの多くは200℃以上です。また、ぬれについては錫―鉛系はんだより劣ります。以下に、ぬれを定量的に表した曲線とぬれの時間(ゼロクロスタイム)とはんだ付温度の対応を示します。
下図に示した用に250℃では、Sn-37Pbは、ぬれ時間が0.5秒未満ですが、鉛フリーはんだは1秒以上必要です。
Fig.1 Weltting Curve1 Sn-37Pb(h63A) 240℃
Fig.2 Weltting Curve2 Sn-3.5Ag 240℃
Fig.3 Weltting Time of Lead Free Solder
鉛フリーはんだの種類
鉛フリーはんだの構成は錫を基調とし、それらに数種類の金属を添加しています。またこの添加金属の数により、二元合金、三元合金、などがあり、はんだ付け作業管理に影響を及ぼします。右表は、一般的な鉛フリーはんだの溶解温度を表したものです。
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液相線 |
固相線 |
Sn-0.7Cu-Ni |
227℃ |
227℃ |
Sn-3.0Ag-0.5Cu |
218℃ |
219℃ |
Sn-3.5Ag |
221℃ |
221℃ |
Sn-57Bi |
139℃ |
139℃ |
Sn-9Zn |
199℃ |
199℃ |
錫―鉛系はんだとの比較
鉛フリーはんだとしてSn-3.5Ag-0.75Cuを選択し、はんだ付け性の差異について一例を示します。
はんだのぬれについて見てみますと、H63Aは上記グラフ内温度であれば1秒以内にぬれを達成しますが、Sn-3.5Ag-0.75Cuでは温度の差により、ぬれ時間が急激に変化します(Fig.3)。
このことにより、ぬれは温度依存性が高いと判断できます。したがって、はんだ付け装置ではより高精度な、はんだ付け温度管理が必要です。
Sn-3.0Ag-0.5Cu
はんだ付温度 250℃
酸素濃度 50ppm
Sn-3.0Ag-0.5Cu
はんだ付温度 255℃
酸素濃度 50ppm
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